こんにちは。元スタバ店員ナナメドリです。
私は、スタバで5年半働いていました。最後の2年くらいは、SSVとしてです。
SSV時代に出会って、実は一緒に働いていたこともある、元スタバの店長さんに「店長の仕事の裏側・年収や気になる給料、仕事内容」を聞いちゃいました。
元スタバ店長さん(現在転職して別業種)
店長歴:5年
店長経験店舗数:5店舗
パートナー=スタバで働いている人のことです
私がスタバの店長になった理由
もともと私の場合は、大学のときにパートナーとしてスタバでバイトをしていました。そこから、就活してスタバとはまったくちがう業種の仕事に就きました。
やりたかった仕事なのでがんばろうと思ったんですが、新卒で入って1年も経たずに辞めてしまったんです。
もうちょっと続ければよかったんですけどね。新卒で入った会社は体育会系のノリで、スタバとはまったく逆でした。それが合わなかったというか。
会社を辞めて、転職活動もしていました。だけど、新卒で入った会社を1年で辞めている。なかなかうまくいくはずないですよね。
転職活動に苦戦していたころ、働かなくちゃとも思って、またスタバで働き始めました。
このときのスタバの店長に「店長やってみない?」と声をかけてもらったのが、きっかけです。
スタバの直営店舗のSSVさんやアシスタントマネージャーは、「店長になりたい!」という気持ちが強すぎるくらい、熱望しています。
私の場合は、そこまで店長になりたいという気持ちが正直ありませんでした。
でも、やってみようと思ったのは、自分に自信がなかったから。
新卒で入った会社も続かなくて、転職活動もうまくいかなくて、本当に自分ダメだなって考えていました。
そういうときに、当時の店長から店長の話をいただいて「やってみようかな」と思ったんです。
自分に自信がない分、何か自分にできることを見つけたかったのかもしれません。
参考:自分の強みの見つけるには「ストレングスファインダー」がおすすめ
スタバ店長の仕事内容の真実
はい。ライセンスの店長でした。だから、直営店舗の店長とは、また色々事情がちがうのかもしれません。
ライセンスの店長は、もともとそこの会社の社員だったり、アルバイトから続けていた人、中途採用で店長志望で採用された人がなるケースがほとんどでした。
だからライセンス会社の社員になったのに、スタバに配属されて、短期間でバリスタからSSV、店長研修を受けて店長になるのは、ものすごくプレッシャーだったのではないかなと感じます。
私は、スタバのアルバイトから店長になったので、まだスタバのことが理解できました。3ヶ月の店長モジュールも大変でしたし、店長試験も緊張しました。
スタバの店長って忙しそうだけど何やってるの?
大きく分けると、マネジメント・店舗分析・人材コントロール・店舗メンテナンス・パートナーの育成です。
これらのPDCAサイクルがきちんと回せているか。PCBのバランスがとれているか。考えて実行に移して、結果をみて改善していきます。
PDCAサイクル=Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善 サイクルをまわすこと
PCB=パートナー、カスタマー、ビジネスのバランスがとれているか
- バリスタ業務(ロールモデルとして)
- SSVやBT(バリスタトレーナー)の育成
- ポジティブな伝え方を心がける
店長も毎日お店にいるわけではありません。店長だって休みがありますからね。
自分が不在のときに、いかに自分の理想の店舗をつくってくれるか、パートナーたちに伝えていくことが重要でした。
「この店は店長がいないとダメだね」という空気ではなく、「(店長がいなくても)いつ来ても満足できるお店だね」と言われたかったんです。
自分の考えてることを実現してくれる、自分の右腕をつくることって本当にだいじです!
- カスタマー(お客様)はどんな人たちか?
- パートナーはどんな子たちか?
- この店がある地域の特徴は?
- 快適な空間を提供するには?
- 良いところ、悪いところは?
- そのために何ができる?この店に求められていることは?
一年に一回、店舗カルテって言うのを作っていました。
SWOT分析して、店舗を外因的・内因的に観察してビジョンを作成するんです。
カルテをもとに四半期ごとにアクションプランを立ててパートナーにとって成長できる環境、お客様にとってより良い店舗づくり、それによってビジネスも潤います。
いかに、これをパートナーと巻き込んで体現できるか。これが勝負です。
- アルバイトの採用
- シフト作成
- 売上目標
- ピークタイム、アイドルタイムの時間の使い方
- 必要人員の見直し
- 総労働時間の適正値
人手不足の状態でも、シフト入っている人数が多くてもいけません。
パートナーひとり、ひとりの役割を考えながら、新しいプロモーションや大型連休前後のシフト増員など、先読みしつつ決めなくてはいけないことが多いです。
- プロモーションごとの導線は大丈夫か
- 備品は足りているか
- 常に衛生的か
- 発注し忘れなどないか
SSVに任せていることも多いですが、最終的なチェックはかならずしています。
衛生検査もありますし、準備万端な状態でも何が起こるかわかりませんしね。
- マネジメントMTGは毎月おこなう
- パートナーとの1on1
- 気軽に相談できる関係の構築
忙しい時期だと、ついおろそかになってしまうミーティングやコミュニケーションですが、積極的にやるように心がけていました。
一人一人とどれだけ向き合って話ができるか。なかなかあらたまって話をする時間ってちゃんと作らなきゃ、話せないと思うのです。
パートナーが何を求めていて、どれだけこちらが応えられるか。何を期待していて、何を任せられるのか。
成長させる経験をつくってあげて、自信をもって、オーナーシップをもって動けるように、習慣化させたかったんです。
ぶっちゃけスタバ店長の年収は?給料は?ボーナスは?
ちなみに、新卒でスタバに入るとこんな感じ。
私の場合は、ライセンスの会社から給料をいただいているかたちです。スタバから給料が出ているわけではないので、少し違うかもしれません。
住宅手当や、店長手当も微々たるもんですがありました。
年収は、ボーナス含めてだいたい350〜400万円くらいでした。
毎月の給料は多くないですけど、ボーナスが良かったと思います。
店長になって良かったこと、店長辞めたいって思ってたこと
スタバの店長になって良かったこと
- 自分が成長するきっかけになった
- 物事をいろんな角度から考えられるようになった
- 社内・社外問わず、色んな人たちと出会えた
- 年1回のスタバの店長会に出席できた
- 度胸がついた
私の店長になった理由が、自分に自信がなかったからでした。その分、店長になって色んな経験をさせてもらって、成長するきっかけをたくさんもらいました。
主観的だけでなく、客観的な視点で考えられるようになったり、ビジネス目線で物事を見られるようになったのは、本当に店長になってからです。
嬉しかったことは、「やってきたことを認められたとき」でしたね。結果が出ないこともたくさんありますが、やってきて良かったこともたくさんありました!
店長会は、スタバの直営、ライセンスの店長以上が全員集まる場所です。楽しかったですね。
インプットばかりで、今年の1年はこういうことするんだというワクワクする気持ちでいっぱいになりました。
スタバは魅せ方がうまいので、ビジョンの共有や活動の背景、ストーリーを聞くだけで惹きつけられます。
スタバの店長を辞めたいと思ったこと
- 店長になりたてのとき
- 周りの店長たちの言動を聞いていたとき
- スターバックスとライセンスの永遠に埋まらない溝を感じたとき
- 常にポジティブでいることに疲れたとき
店長になりたての時期が、いちばん辛くて。店長モジュールを終えて、店長試験に受かったけど、店長としての経験がないので、どうやってお店をまわすのか、自分のペースが掴めないまま、時間ばかり過ぎていきました。
最初のころは、前の店長さんの真似ばかりしてましたね。
徐々に慣れてきたら、また悩みは増えるばかりでしたけど(笑)
周りの店長たちの愚痴を聞いたり、毎回同じようなことばかり話していて、解決策が見つからなかったり。これ、何のための時間なのかな?共感してほしいだけなのかな?って。愚痴ばかり言ってるだけでは、良い方向に導けないですからね。
それでも、パートナーの前では常にポジティブで楽しそうな姿を見せていました。
もともとネガティブ思考なんです。実際に仕事も楽しかったんですが、仕事スイッチを入れることでポジティブな店長として働いていたんです。
パートナーにも言われました。「なんでいつもそんな楽しそうなんですか?」って。
仕事だからだよ!!って大声で言いたかったですが、感情や気分によって態度がころころ変わるパートナーのお手本として、店長を演じていたのかもしれません。
まとめ・スタバ店長には●●●が必要!これから店長を目指す人へ
- 人間力
- 分析力
- 客観力
- 育成力
- 忍耐力
それっぽいことを言うと、この5つでしょうか。
店長は、やっぱりお店のまとめ役ですし、信頼されないと難しいと思います。「この人のお願いなら、やってあげたい」って思ってもらえるような人間性じゃないと、誰もついてこないような気がしました。
店舗の印象をつくるのは、やっぱりバリスタのパートナーなので、パートナーから見ても信頼される人間でありたいと感じます。
そんなパートナーたちも働いているなかで成長してほしいです。学生パートナーには、少しでも多くの成功体験を感じて社会に出てほしい。ちょっと、親心が入っていますね。
また、公平性や平等性を保つために「分析力」と「客観力」も必要です。店舗の存在意義や、何人のSSVが必要で、何人のパートナーが必要か。シフトも偏りすぎてないか、PCBのバランスはとれているか、客観的にみてもおかしくないか。お客様目線で考えられているか。
ぜんぶひっくるめると「忍耐力」がなくては、店長の仕事は務まりません。
お客様もだいじ、パートナーもだいじ、会社の意見もだいじ。色々挟まれて苦労することも多いけど、その中でベストな方法を探して提案する。その形が実現して、認められたときは嬉しいですし、やりがいもありました。
そう思うと、店長やってて良かったと感じます。なかなか経験できないことを、スタバを通してたくさん知ることができました。楽しかったことも多かったです!
これから店長試験受ける人の参考になれば嬉しいです。