私が高校生のときは、今では考えられないくらい音楽番組がとても面白かった。
Mステやうたばん、ASAYAN、夜もヒッパレ、CDTV、ポップジャムを観ていた。なんならPVが観たくてスペースシャワーTVも観ていた気がする。
私は当時、安室ちゃんも好きだったし、朋ちゃんも好きだったし、あゆも好きだったし、林檎ちゃんもSPEEDも好きだった高校生である。
そんなアムラー全盛期、あゆ全盛期だった私はもちろん厚底も履いていたし、ルーズソックスだったし、眉毛も細眉で青いアイシャドウとか買っていた。
CDがたくさん売れる時代で、バイト代で貯めたお金でCDを買って、MDに落としていた。今では、iTunesがある。そう、こんなふうに。
そんな私が、SOPHIAを好きになったのである。
しかし、SOPHIAにハマったきっかけが思い出せない。
おそらく、同じ美術部の友達がSOPHIAの「街」が好きで、スケッチブックに街の歌詞を書いていた。
街って良い歌詞だなって思ったのが最初。
そのあとに出た「ゴキゲン鳥」がめちゃくちゃ好きでCDを買った。この「ALIVE」というアルバムの1曲目にゴキゲン鳥が入っている。
そこからはもうCD買い占めるよね。おそらくメジャーで出したCDは全部買ったんだ。
アルバムも買ったし、PVやライブも好きだったから、DVDじゃなくてVHS…そうビデオまで買った。
SOPHIAのプロモーションビデオ、PVがとても好きで好きで繰り返し巻き戻して観ていた。因みに今ではMVっていうよね。いつのまにミュージックビデオってなったんだろう。
当時はYouTubeなんてなかったから、必死で音楽番組を録画するか、ライブ映像はWOWOWを契約するか、VHSを買うしかなかったのである。
今、そんなことをしなくても気軽にライブ映像も観れるよね。MVもむしろアーティストが無料でオフィシャルの登録チャンネルに流している。
すごい時代になったもんだ。今の子が羨ましい。お金を遣わずに色んなものが溢れている。いつかこの時代が懐かしいと思えるときがくるはずだ。
高校生の私は、いつの間にかテレビやCDだけじゃ物足らずにライブに行きたいと思うようになったのである。
2000年におこなわれた「大夜総曾」というライブが初めてのSOPHIAライブで、人生で初めてのライブだった。ちなみに、だいやそうかいと読む。たぶん、松岡さんが香港とかにハマってた時期。
私はこのライブに行くために、アルバイトをした。
CDを買って、ライブに行って、ライブでグッズを買いたい。その気持ちだけでアルバイトを頑張れた。
ライブのときに友達とおそろいの恰好をしたいから、そろえたり派手な格好をしていた。
そう、それはそれはバンギャ一歩前のSOPHIAの追っかけだったのだ。
好きすぎて、パソコンを買ってもらいSOPHIAのファンサイトを立ち上げた。(パソコンを買ってもらったのは「これからはパソコンの時代だ」と親に言った)
毎日毎日、SOPHIAに関する情報をアップしたり、SOPHIAに対する思いを日記に書き続けていたのである。
ファンクラブにも入っていた。
ファンクラブに入らないとライブのチケットで良い席がとれないからだ。おかげで地方公演はアリーナの前のほうでライブが観れた。
主要都市、東京・名古屋・大阪はやはり競争率が高いのである。
私はさいわい愛知に住んでいた。名古屋公演はもちろんのこと、浜松、三重、大阪、東京、千葉、神奈川は制覇した覚えがある。
何故、そんなにライブに行っていたんだろうと今では思うのだけど、とにかくSOPHIAのライブが好きだった。
ライブこそSOPHIAの魅力がわかるって思っていた。
高校生の私は、時には学校を早退したり休んだりしてまでライブに行っていた。(もちろん親には内緒)
ライブがすべてだった。
ライブでメンバーに会えるのがとても楽しみで、いつもわくわくしていて、今でも最高の空間だったと思う。
SOPHIAのライブに行くようになって、SOPHIAのファンサイトの管理人をやっていて、そうなると掲示板や日記にコメントをくれる友達ができるようになった。
当時、SOPHIAは毎週ラジオをやっていてハガキを送るようにもなり、読まれるたびにその友達からコメントがきたりした。
ラジオで読まれるのも快感になってしまい、かなりの確率で読まれる常連にもなってしまった。
とにかく面白く書こうって思っていた気がする。事実を面白く伝えるという力は、実は高校生のときから学んでいたのかもしれない。
番組特製のステッカーとかストラップとか貰うようになり、なんとメンバーとも電話で喋ったこともある。
これは事前にスタッフから自宅の家電に電話が入り、「あなたのハガキが採用されて、読まれる予定なので、生放送の電話に出てくださいね!」っていうやつ。
緊張したけど、何喋ったか覚えてないけど、いちばん興奮していたのは私の友達だったはずだ。
カセットテープかMDに録音したけど、自分の声が気持ち悪くて聞けなかった。
友達も録音したよ!と言ってくれた。
しかし、インターネットというのは、どんなに遠くてもコミュニケーションがとれるんだ!と感動した。
全国に友達がいる。
一緒に大阪のホテルに泊まったり、東京でしか会えない子もいたり、名古屋でしか会えない子がいた。各地に友達ができるというのは、それだけで新鮮で嬉しかった。
ライブがなくてもオフ会というものをやっていた。
みんなでカラオケ行ってSOPHIA歌うだけとか。
そのオフ会もチャットが流行り、遠くにいてもチャットで喋れて、待ち合わせができたのだ。
パソコンでメールを送るのでさえ楽しかった。ポストペットが流行り、ポスペの可愛いキャラがメールを持ってきてくれるのが可愛くて、送っていた。
そんな一つ一つのインターネットで出来ることが、今では当たり前になっている。
今、私はこのブログをやっている。
SOPHIAのファンサイトを閉じて、SOPHIAのことを追いかけなくなった私は、何と自分の職場でメンバーに会って喋るという事態が起こったのだ。
ブログの原点も、私がライブの仕事がしたいって思った原点も、今思えばSOPHIAがきっかけだったのである。
参考:「ライブハウスでバイトをする」やりがい搾取の音楽現場について
SOPHIAがいなかったら、今の私はいないということだ。
その私が今でもカラオケでSOPHIAを歌う。
昨日の関ジャムを引きずってしまったヒトカラでした。 pic.twitter.com/E1IP1sONY5
— ナナメドリ (@nanamedori) 2017年10月9日
私の中の黄金期のアルバムといえば、この3つだ。
SOPHIAを知らなくても、知っていても、今SOPHIAが気になってしまったあなたには絶対聴いてほしいアルバムである。
little circusに「街」「little cloud」が入っている。ポップでかわいい曲もあり、色々楽しめるアルバム。
ALIVEに「ゴキゲン鳥」が入っている。1曲目から最後まで1つのストーリーのようなアルバム。
「黒いブーツ~oh my friend~」がヒットして人気になってしまったSOPHIA。「beautiful」を今聴くと泣きそうになる。歌詞カードを見ながら聴くべきアルバム。
SOPHIAは、GLAYやラルクやLUNA SEAに比べて売れていなかった。
それでも、私は好きだった。
「SOPHIA好きなの?マニアックだね!」と当時は言われた。
一緒にカラオケに行く友達は「SOPHIAって意外と良い曲だね」と言ってくれたし、私にはSOPHIA繋がりの友達がいた。
今では、その友達には会えないし、元気にしているかはわからない。
SOPHIAは活動休止をしてしまったのだ。
ライブが魅力だったSOPHIAなのに、ライブに行けないということである。
私は今でもSOPHIAのライブが観たいのかもしれない。
そして、ライブに一緒に行った友達に会いたいのかもしれない。
当時のサイトは、今はもうないけれど、私は今でも元気です。
あなたは、いま元気ですか?