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流行の本を売っている書店の仕組みがいちばんアナログだという話

ナナメドリ・書店員
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いまだにFAXが廃れないのは、書店と出版社のおかげだと思います。

徐々に本の注文は、「Web注文」というカゴ入れができるようになりました。

7年前、書店で働いていたときに「まだFAXをこんなに使う会社があるのか」と感じたことを今でも覚えています。

そして、たった2年前でさえも、FAXで注文用紙を送りました!という出版社さんがいました。

毎日、たくさんの新刊と話題になっている本が並べられている書店。

そんな書店がいちばん流行から遠いと思うのです。

書店・取次・版元という仕組みに時間がかかりすぎる

書店…本屋という言い方も好きですが「しょてん」と読みます

取次…書店と出版社の仲介業者「とりつぎ」と読みます

版元…出版社のこと「はんもと」と読みます

本が売られてる仕組みで理解しにくいのが、取次会社が入っているということではないでしょうか。

書店や、出版社を題材にした漫画やドラマはありますが、取次に注目する人はいません。

そもそも取次って何?

です。

有名な取次は以下です。

書店は、基本的に契約している取次会社に本の注文をして、取次が出版社(版元)に発注します。

取次に在庫がある場合は、取次からすぐに発送してもらえるんです。

出版社は、いったん取次に本を搬入して、取次が各書店に送るというわけなんですね。いちいち全国の書店に発送する手間が省けるのがメリットです。

そんな出版社のお話、「重版出来」好きです。

ドラマも好きです。黒木華ちゃん良きです。

今すぐ読みたいのに取り寄せの本は二週間後

版元で絶版になっていない本は、版元に在庫があれば注文することができます。

しかし、注文してから取次にまず搬入するので2~3日かかります。

書店員が電話等で版元に確認すると、大体「取次に入荷する日」を教えてくれますが、実際に書店に入る日はわからないのです。

取次に搬入されてから、また2~3日書店に到着するまでかかるんですね。

この日にちも、本当にアバウトで重版真っ最中の本だと、取次搬入日も遅くなるし、書店に到着するのも遅くなります。

だから、その時間を考慮しての「一週間から二週間くらいかかります」という答えなのです。

「必ずこの日に入荷します」とは言えない状況なんです。

また、搬送トラブルもけっこうあって、取次から送られてくるはずの本が未着だったり、闇に葬られたの?ということもありました。

書店員が「この日に来てください」と言ってしまい、まだ本が到着せずお客様から「この日に来るって言ったじゃんか!」とトラブルになるケースもありました。

書店員が必ず注文していても、思った日に本が届かない。

これ、本当にふつうでした。

[su_label type=”info”]参考[/su_label]【書店員あるある】書店員が受けるつらいうざい理不尽なクレーム

書店員は「Amazonで注文しろよ」と思ってるけど言えない理由

時には私はお客様に「Amazonのほうが実は早いです」と言ったりしていました。

言ってはいけないという規則は、どこにもありません。

本当に早く読みたい、確実に発売日に読みたい場合は書店で予約をしてください。

予約ができないのであれば、発売日に行っても書店に置いてあるとは限らないのです。

予約発注分しか刷らない本は、あとから知っても遅いです。

人気の本は、たいていテレビ放映後に話題になり重版中のことが多く、知ったときは刷ってるときなんですね。

書店でも人気の本は置きたいから、取り合いで「20冊注文したのに、3冊しか入ってこなかった」ということもあります。

確実に手に入れる方法は、Amazonです。

何より早いです。

書店で注文しようと思ったけど、時間がかかるのがネックという人こそAmazonです。

Amazonは神。

話題の本こそネット注文をおすすめする!

取次を通さない版元、返品ができない版元

取次を通さずに版元から直接買い切らなければいけない本もあります。

書店が買い切りで買った本は、書店が在庫を背負います。

書店ですべて買いきった本を売らなければいけないのです。

そもそも、書店は在庫をかかえないように売れない本は版元に返品できるというシステムがあります。

返品できるのが当たり前なんですね。

そうして売れない本は重版されませんし、版元が在庫をかかえ、絶版にしていきます。

ただ、そんなルールを無視した絶対返品ができない版元があります。

それは、かの有名な「岩波書店」です。

書店が注文した部数は必ず入荷してくれますが、本当に人気がある本と人気が出なかった本の差が激しい。

毎月、岩波文庫と岩波新書を予約しているすごいお客様がいました。

そういうロイヤルカスタマーがいるのも岩波書店の強みでもあるんですけど、中にはめちゃくちゃ高い本もあったりするので、発注をしぶることもあるのです。

発注しても1冊のみ。それが売れなければ、在庫をかかえようという気持ちで注文をしています。

作家がサイン本を本当に買ってもらいたい理由

作家の地元であったり、都内の大型書店にいくと「サイン本」を見かけます。

サイン本を注文できたりもするし、書店まわりをしている作家さんのお願いだったりもするし、サイン会をひらいたついでの場合もあります。

サイン本は全部売れればまったく問題がない。

しかし、なかなか売れないサイン本の場合。

これも書店がかかえる在庫になってしまいます。

サイン本は返品ができないんですね。

だから、私はなるべくサイン本があったらサイン本を買うようにしています。笑

しかしサイン本の場合は、中古で売る場合、なんと落書き扱いになり買い取り価格が下がってしまうのです。

本人が書いたサインか、わからないからです。

本当のサインだとしてもです。

本当のサインで、希少価値の高い本の場合は、鑑定がしてもらえる専門のお店に買い取ってもらったほうが高額買取になるのでおすすめです。

少なくとも、チェーン店である中古本屋の場合は、残念ながら価値がありません。

私が年末断捨離する買取業者はこちらです。みんなおなじみ「ブックオフ」です。



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これまで毎回店舗に持って行ってましたが、重いし車がない方は面倒です。

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書店は思いがけない新しい発見を求めてるときに行く

書店に行って「ああ、この本おもしろそう」と思うときが、たくさんあります。

それはそれは、書店員が「この本のとなりに置く本は、こういう本も好きだろ、おすすめだよ」という策略のもと置いています。

中には、まったくどうしてこの本のとなりがこれなの?合ってるの?という書店もあります。

ジャンル担当がしっかりついていない書店の場合、おこりえる状態です。

この棚は、ちゃんと買う人のことを考えてくれてる棚作りだなと思う書店は、本当に楽しいですよね。

ついついいっぱい買ってしまった!という書店は、本当に楽しくたくさんの学びが得られる場所です。

人が本を求める理由は、様々ありますがベストな買い方は

ネットで確実に欲しい本を注文

何か新しい情報がほしいなというときは書店

これがいちばん賢いです。

ぜひ、あなたの欲しい本はネットと書店を両方活用して見つけてみてくださいね!

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