さっき松屋に行った。
私は松屋が好きだ。
ほとんどテイクアウトだ。
今日もハンバーグ定食を食べようと思った。ドレッシングは胡麻一択である。
私はお持ち帰り弁当を待っている間、とても気になる人が一人いた。
電話をしているサラリーマン40代だ。
どうやら彼は自分の購入した商品のサービスが受けられなかったようである。
昨日購入したのに、今日までそのサービスが受けられなかったということらしい。
そのサービスを受けられなかったことに対してのクレームだ。
電話口の相手に対して、同じようなことを言い続けてる。
「私は営業時間の18時までに電話をかけているのに、なぜサービスが受けられないのか?あなたじゃ話にならないから、とりあえず上の人と代わってください。」
「だって私は商品を購入しているんですよ?そして営業時間の18時までに電話をしている。何故、その担当者がいないんですか?御社の時間軸と、私の時間軸が違うということですか?」
「営業時間内に私はかけているのに、どうしてサービスが受けられないのですか?」
これを店内にいる私はもちろん、店員さん二人、他のお客さん二人に聞こえる声でしゃべっているのだ。
私がイートインなら間違いなく、「飯まずくなるやつ」と思って食べる苦行である。
人がご飯を食べているのに、何故大声で電話ができるのだろうか。
というか、まずお店に入って電話をするべきではない。
電話は自分のプライベート空間であって、他人に共有するものではないし、うっかり個人情報を伝える場合もあるのに、何故松屋の店内で電話をするのか。
私には、クレームサラリーマンの気持ちがわからなかった。
この場合、私が店員なら
「他のお客様の迷惑になりますので、、、」と電話を控えてもらうように言う。
ここで逆ギレする可能性もあるが、そんな人ならお店に来なくてもいいし、他のお客さんの食事タイムを優先させてあげたい。
電話の邪魔かと思うのであれば、メモでも書いて見せる。
日本語が通じないようなら英語だろうか?
しかし、店員さんは私たちの食事を作るのに精一杯だった。
もはや他人のクレーム電話なんて聞いちゃいないかもしれない。
しかし、私は気になった。
おそらく一番あとに入ってきた大学生も「うわ、やべー変な奴いるときに入っちゃった」と思っているだろう。
そして一番最初にいたおじさんも気になっていたに違いない。
まだクレームサラリーマンは、営業時間とサービスについて語っていた。
おそらく彼の社会人としての時間軸も間違っている。
いくら営業時間が18時までといっても、18時は仕事が終わる定時であって、帰る時間だ。
私だったら18時が上がりだとしたら、18時前の電話なんか取りたくない。
遅番の人がいたら遅番の人にとってもらう予定である。
働いていたらそれくらいのことはわかるのではないだろうか?
18時前の電話をとってしまったその人に心の底から同情する。
しかも今日はノー残業デーだ。
おそらく電話口の人も電話に出る前に「ちっ」と舌打ちをしたに違いない。
そして「上の人を出せ」と言われても、出せないのは上の人はもうきっと帰ってるから出せないのだ。
17時59分に電話する奴なんて大抵ロクな奴ではない。
ただ、自分のことを一番優先してほしいのだ。
それを「仕事だから当たり前だろ」という言葉を振りかざして、18時までに電話をした自分を正当化し続けていた。
あまりにも18時、18時言うので、お昼休みとかに電話できなかったのかな、この人と思った。
私なら自分の食べる時間を削ってまで、そのサービスを受けたいならお昼に電話する。
どうやらそういう発想は持ち合わせてないようだ。
とにかく18時までに電話すればオールオッケーという感覚らしい。
普段あんまり行かない店舗の松屋だったので、来るんじゃなかったなぁ、早くお弁当できないかなぁって思っていたら、出来た。
この空気が悪い店内からやっと帰れると思った、その時。
一番最初にいたおじさんが口をひらいた。
「おい!おまえ!!!」
ハッとした。
しかし、私はお弁当を持って帰らなければならない。
おじさんは、とうとうクレームサラリーマンにキレたようだった。
おじさんがそのあと、「飯がまずくなるだろ!そんな電話なんかこんなとこでするんじゃねぇ!」と罵倒してくれてることを願う。
初めて何故テイクアウトじゃなくて、イートインにしなかったのか…私は後悔した。
このクレームサラリーマンの行く末を最後まで見届けるべきじゃなかったのか?
そんなスカっとジャパンみたいな出来事が起こった18時4分であった。
そう、その電話中に18時は過ぎていた。
クレームサラリーマンは、その商品のサービスを確かに楽しみにしていたかもしれない。
しかし、それを当然と思っている。
私は1日くらいいいじゃんって思ってしまった。
それは人によって感覚が違うのかもしれない。
きっと彼はお金を出してわくわくしていたのだろう。
でも、サービスが受けられなかった。
その憤りを電話にぶつけたのである。
しかし、その電話は松屋の店内にいる全員の気持ちを考えていないものだった。
クレームを伝える分にはいいと思うが、なぜそんな伝え方しかできないのか?ということが問題である。
- 上の人を出せ
- 店内で電話
- うるさい
- 周りに迷惑
これはまったく誰の気持ちも考えていない。
店員さん「こんな人に注意したらまた怒られそう」
お客さん「うるせーだまれ」
電話の人「18時で帰りたかったのに上司もいないし苛々するしとりあえず謝るしかない」
クレームサラリーマンの彼女「モラハラ夫になりそうだから別れようかな」
クレームサラリーマンの妻「一緒にいるときに電話したら最悪だけど、言えない、言ったらキレそう」
妻も彼女もいるか知らないけど。
クレームサラリーマンは、きっと人の気持ちに気づけずに生きてきたのだ。
上の人が出てくるまで、彼は電話をし続ける人生だ。
それを時間の無駄だとは思わないのだろうか。
そして、これからもそのことに気づかず生きていくだろう。
合掌。
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