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【営業事務】紹介予定派遣2ヶ月で正社員になったOLの話
めでたく派遣期間2ヶ月という短さで、直接雇用の話をいただき私は念願の正社員となりました。
初めての正社員ということで、当時はわくわくもしていたし、仕事をがんばろう!と思っていたんです。
派遣を始めてから、たった2ヶ月で正社員になれるとは思ってもみませんでした。
これがあとで後悔することになるとは思ってもみなかったのです。
Contents
派遣社員と正社員の給料の違い
正社員になったことで、当然ですが条件・給料が変わります。
私の実際の給料は以下でした。
派遣社員の給料
時給1250円×7時間×月20日計算で、175,000円です。
交通費支給なし
ここから社会保険等が引かれます。
正社員の給料
基本給16万円 残業代5万円
交通費支給あり
社会保険未加入の企業のため、国保でここから自分で払います。
保険について
私は知りませんでしたが、法人化をした会社で5名未満の従業員の場合は、「健康保険・厚生年金」で未加入でもよかったのです。
しかし、私が4人目で続々と採用し、あっという間に5名以上の企業になりました。
それでも私が働いていた期間、「社会保険に入ったぞ!」という知らせはありませんでした。
自分で高い国民保険を払い続けていましたが、結局派遣社員のままで社会保険を払ってもらっていた方がお得だったのかな?と今では考えます。
手取りをもらった段階では、単純に額面が大きく変わり「正社員になってよかった!」と思えました。
交通費も出るし、何より長期休暇でたくさん休んでも月給なので心配が少なくなったんです。
どこがブラック企業だったのか
前述した従業員5名以上の企業の場合は、社会保険に加入しなければなりません。
この時点で、すでにブラック企業臭がしますよね。
当時24歳だった私には、まったくわかりませんでした。
現在34歳、あれから10年経った私にはこの会社がいかに「ブラック企業」だったかがわかります。
しかし、時代もちがいます。あの頃「ブラック企業」という言葉はありませんでした。
ただ、正社員はこういうものなんだ、この会社はこれがふつうなんだと思い込んでいたんです。
- 朝9時に会社のクレドを音読し意見を言い合う
- 人数分のコーヒーを淹れなければいけない
- 全員のデスクを拭かなければいけない
- 忙しくてなかなか外にランチに行けない
- 定時で帰ったのは数えるくらい
- 9時から21時くらいまで会社にいることがふつう
- 仕事が残ってたら土曜に出勤
- 社長の気まぐれでいきなりミーティングが始まる
- タイムカードがないので残業代はざっくり計算
- 社会保険、有給休暇、福利厚生はなし
- 自己啓発セミナーに強制参加
書き出していて、最初はこんなのふつうじゃないのかな?と感じました。
初めての出来事は、やっぱり素直に受け入れてしまうのが人間です。
たくさん経験をすれば、すぐにおかしいと思い辞めることもできます。
知らないとそのまま働き続けてしまうし、知っていたら辞めることもできるというわけです。
朝9時に会社のクレドを音読し意見を言い合う
クレドという経営理念を活用し、業績向上を試みる企業が多いものです。
社長がリッツ・カールトンに影響を受けて、自社のクレドを考え、これを毎朝一つずつ朝礼で唱和していました。
今日はこのクレドに対して、それぞれどう思うのか、意見を述べ合います。
私は人前で自分の意見を言うのが苦手で、どうしても前の人の意見に感化されたりしてしまいます。
しかも、毎日同じことを繰り返すわけで、クレドに対しての意見もだんだんとネタ切れになってきてしまいますよね。
内心、面倒だなぁ…と感じていました。
飲食店やサービス業なんかは、朝礼で「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」「またお越しくださいませ!」などを大声で言うこともあります。
なんかクレドも接客用語もどっちも嫌ですね。笑
人数分のコーヒーを淹れなければいけない
社長はブラック、先輩は砂糖だけミルクなし、といったように覚えなければいけません。
毎朝コーヒーを必ず落とすのは、大体下っ端の仕事です。
飲みたい気分じゃないときもあると思うのですが、毎朝必ず淹れていました。
今の会社では、自分の飲みたい物は自分で用意していますし、他の人の飲む物まで考えないスタンスなので、とても気が楽です。
これを経験すると、「何故私が毎朝コーヒーを淹れなければいけないんだ?」と感じます。
全員のデスクを拭かなければいけない
コーヒー同様、朝礼前にデスクを拭かなければいけません。
しかも全員のデスク。
デスクも本人が出勤前ならいいのですが、早く出勤している社員の方がほとんどで、既に仕事をしているんですね。
仕事中に「すみません」と言いながら拭くのは気が引けます。
「私はいいよ」と言ってくれる先輩もいましたが、自分のデスクくらい自分できれいにしろよ…と思いながら、拭いていました。
忙しくてなかなか外にランチに行けない
大抵、ランチはお弁当を社内のみんなで食べていました。
みんなで雑談をしながら食べることが多かったのですが、忙しいとデスクで食べたりしてしまいます。
ランチも気分転換になるので外へ出かけたいと思っていましたが、ランチに頻繁に行く環境ではありませんでした。
行っても月に1回程度です。
みんなで社内で食べるが基本でした。
一人になれる空間というのが、ほとんどありません。
今働いている会社では、毎日一人で食べてるのが気楽すぎて幸せです。
定時で帰ったのは数えるくらい
おそらく18時が定時だと思うのですが、18時ぴったりに上がれたことあったっけ?と思い出そうとしましたが、思い出せませんでした。
早くてもなんだかんだ18時半くらいまでは必ずいました。
ただ、社員は残業が基本みたいなスタンスで、社長を含め先輩たちも残っているんですね。
そんな中、部下が「お先に失礼します」っていうのは出来なかったんです。
仕事も少人数でやっているので、山ほどあります。
単純に仕事量が多く一人あたりの負担が多かったんですよね。
それを残業でカバーしているということです。
残業が当たり前になってしまい、大体20時~22時に帰ることが多かったです。
繁忙期は終電のときもありました。
仕事が残ってたら土曜に出勤
平日に残業もしているのに仕事量は増える一方でした。
金曜にまだ片付かないと思ったら、土曜に出勤していました。
タイムカードがないので残業代どころか、休日手当もありません。
本当に、社員のやる気と善意を搾取しているなぁと今では感じます。
社長の気まぐれでいきなりミーティングが始まる
私が入社した当初は、ワンマン社長と先輩二人の三人が創業からのメンバーで事業をおこなっていました。
私は創業メンバー以外の初めての社員だったんです。
それもあり、なんだか意見も言いづらいし、社長の言うことは絶対という雰囲気でした。
ミーティングや打ち合わせも頻繁に行われていましたが、いつも社長が何か思いついたときにはじまります。
「おい!14時からミーティングな!」
最初はオープンな雰囲気でいいなぁと思っていたことが、どんどん仕事量が増えると「え、今?」と思うことが多くなります。
正直「またかよ…」と思っていました。
社会保険、有給休暇、福利厚生はなし
社会保険もなければ、有給休暇もありませんでした。
誰も有休をとっていなかったし、なかったと思います。
ただ、用事がある場合はただの欠勤でしたね。
もちろん、福利厚生もなく…何か施設で割引になるとか、そういったこともありませんでした。
残業が基本スタイルだったので、有休があったとしても浸透するような会社ではないということはいえます。
まとめ
時代によっては「ふつうのこと」「会社とはこういうもんだ」「当たり前のことじゃん」と思うかもしれません。
しかし、違う会社で働いてみるとたくさんわかることがあります。
ああ、前働いていたとこはひどかったのかも。
そんな風に感じたのは、有休がとれる会社で働いたときでした。
アルバイトでもきちんと大きな会社なら有休がとれますし、労働者の権利でもあります。
小さい会社だから、家族経営だから、創業したてでこれからだから、そんな言い訳をされるなら、こちらからお断りです。
大人数の大きな会社より、小さい会社が合ってる人もいるはずです。
しかし、様々なことを犠牲にしてまで働く必要はあるのでしょうか?
みんながみんな働きやすいと思える会社になってほしいものです。
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