私は19歳から24歳までの間、ライブハウスで働いていました。
まるまる5年間です。
そして、久しぶりに照明オペレーターをすることになったのは、当時32歳でした。
約8年ぶりにライブハウスに関わることになったのです。
Contents
ライブハウスを辞めてから

私が5年働いたライブハウスを退職して、一度だけ人手不足で現場に呼ばれたことがありました。
当時は、書店員だった気がするのですが、とにかく仕込みとピンスポットだけお願いしたいということで引き受けました。
依頼は働いていたライブハウスの店長からで、照明オペをするのは後輩です。
そのときも2~3年ぶりで出来るかなぁと思いましたが、何とか無事終わりました。
毎日毎日仕込みは辛いけど、たまにピンスポットをさわると面白い!と感じたんです。
再び照明オペレーターをすることになった経緯
もともと職場の同僚だった友人が、シンガーソングライターとして活動をしていました。
事務所にも所属していてマネージャーさんもついています。
その友人とたまたま家が近くで、よくご飯に行くようになりました。
私が音楽業界にいたのも知ってるし、共通の知り合いもいて、上京してこんな偶然あるんだなぁと感じたんです。
もしかしたら私の働いていたライブハウスで、ツアーに来たこともあるのですれ違っていたかもねー!と話していました。
世間は狭いものです。
友人のライブに行く

そんな友人が渋谷のライブハウスでライブをするというので、観に行きました。
久しぶりのライブハウス・・・
観に行くだけなのに、すごく緊張。
友人はまぁまぁのイケメンなので、熱烈なファン(おばさま)がついていて、ちょっとこわかったのですが・・・
ライブ自体は、すごくお客さんを楽しませてあげよう!という雰囲気で、実際に楽しかったのです。
ライブハウスで働いているときからの癖なのかもしれませんが、とにかく後ろで全体の画が見たい私は、照明卓の前の椅子で観てました。
モニターでも確認できるし、後ろでも楽しめます。
昔は、できるだけアーティストの近くにいたくて最前列で見ていたこともあったけど、立っているのも辛いです。
そんな久しぶりのライブは、なんだか懐かしい気持ちで観ました。
ライブの招待を断る
次回もライブが決まっていて、「また来てよ!ゲストで招待するし!」と言われたんですね。
でも、ゲストだとなんだか悪いですよね。
やっぱりライブはお金を払って観るものです。
ライブハウスのチケットの仕組み
ライブハウスのチケットというのは、通常はチケットぴあやローソンチケットでも購入ができます。
また、アーティストから直接購入もできます。
当日のチケットを確保してもらえる「チケット取り置き」というシステムがあります。
「○○さん(アーティスト)で取り置きした、○○です」と言ってもらえば、チケット代金を前売り料金で支払い、チケットと引き換えができます。
取り置きではない場合は、当日料金のチケット代金になってしまいます。
インディーズバンドは、主にこの「取り置き」システムでチケットをさばいています。
ゲストの場合は、その取り置きリストに「ゲスト招待」と書いておけばチケット代金が発生しません。
ドリンク代のみ支払う必要もあったり、なかったり、ライブハウスによって違います。
このゲストで呼んでくれるということなんですね。
ゲストはなんだかやっぱり居心地が悪くて…
「ゲストだったら、せっかくだから照明やるよ!」って言ってしまい、とんとん拍子に照明オペレーターをすることになりました。
約1ヶ月前から曲の聴きこみ

主催がメジャーな方でイベント形式ということでした。
セットリストが決まり次第、セットリストとCD音源をいただきました。
当日の仕込みや色がわからないので、とにかく聴きこみます。
曲の構成(Aメロ、Bメロ、サビ)を、自分の頭に入れ、歌詞カードに書き込みます。
私は通常はただのOLなので、通勤中やお昼休みにもすごく聴きました。
「曲のイメージを最大限にかっこよく魅せる」のが私の信条です。
私が照明をやっていた当時は、本なんてありませんでしたが以下の本も参考になりました。
アーティストのイメージとかっこよく魅せる努力

友人の彼は、基本的に前向きでポジティブな曲をつくる。
だけど、少し寂しそうで切ない。
親しみやすいメロディーとメッセージ性の強い歌詞を書く。
ある作曲家に「ポップの天才」と言わせた人である。
そのイメージを最大限に活かすことが私の仕事。
あと、大事なのは観ていて違和感を与えないのが照明としていちばん重要かもしれません。
- あれ、この曲と雰囲気合ってないなぁ
- こんなに爽やかな曲なのに原色?
- 今タイミング間違えた?
こんな風にお客さんに思わせたらダメです。
プロのアーティストのライブに行く人はわかると思いますが、曲のタイミングや暗くなるところ、激しく煽るところ、すべてばっちり照明が合っていますよね?
これがプロの照明の演出です。
大きなアリーナやホールクラスの照明ではなく、たかがライブハウスの照明かもしれませんが、小さなハコなりの演出があります。
ライブという非日常の空間に溶け込むような照明をしたいものです。
私の考える色の仕込み

いわゆるポップなアーティストは、明るくきれいな色を使います。
ここから少し専門的なお話になります。
基本ベースは、R(#22)・Y(#43)・DB(#74)・LB(#64、#77)、A(#31、#35)、Pu(#88)、Wでしょうか。
Wは生(ナマ)のことで、ホワイト…色が入ってない状態の灯体(ライト)です。
それに、Pi(#16)、G(#55)なども欲しいところです。
()内の番号がカラーフィルターの番号なんですね。
[su_label type=”info”]参考[/su_label]ポリカラー カラーフィルター
RはRed、つまり赤です。
アルファベットはそれぞれ頭文字をつかっています。
Puはパープルですが、そのまま「ピーユー」と発音しますね。
Aは、アンバーです。ほぼオレンジですが琥珀色に近い色です。
この色番号は、基本的なベースの色でパステル系の淡い色も入っています。
私の好きな色を並べてみましたが、もちろんライブハウスや個人の趣味、アーティストのイメージによっても変わります。
逆に、ハード系やヴィジュアル系は原色などのパキっとした色を使うことが多いです。
#12、#20、#31、#40、#52、#71、#86などでしょうか。
アイドルや女性アーティストは、きれいな淡い可愛い色を使います。
#17、#38、#45、#55、#66がお気に入りでした。
ワンマンライブは、そのアーティストのイメージにできるので考えるのは大変ですが、やりがいもあります。
[su_label type=”info”]関連記事[/su_label]「ライブハウスでバイトをする」やりがい搾取の音楽現場について
外オペとして打ち合わせ

友人のマネージャーさん経由で、ライブハウスの方と打ち合わせをすることになりました。
ライブハウスは老舗の渋谷ラママです。
もちろん、渋谷ラママで照明をするのは初めてです。
そして8年ぶりのオペレーターです。
不安しかないけど、実際に照明卓の前に座るとわくわくしました!
ラママのスタッフさんからは、基本の仕込み図をいただき、当日の色はお任せします!ということでした。
嬉しいです。
ゲネプロ

本番前に、ゲネプロの日程が決まり、照明の仕込みや色を決めて挑みました。
ゲネプロの1時間前くらいに入り、スタッフさんと一緒に色替えをして、照明卓に入れ込みます。
チェイスという、ライトをパカパカさせる入れ込みもしていただきました。
フェーダーも限りがあります。小さい卓だと12~24本です。
チェイスは、激しい曲やアップテンポの曲に使うことが多く、切り替えたいシーンが多発するので、こういったときに使用します。
テンポも合わせることができるので、きれいに魅せたいときはかっこよく決まります。
そして、いよいよアーティスト(友人)とサポートの方と音響さんと共にゲネプロの始まりです。
曲の始まりやMCの流れも確認したり、音源ではわからない感じを実際にリハーサルでやってほしいとオーダーしていたので、スムーズでした。
2まわしくらいやって終了でしたが、とっても良い雰囲気ですごく楽しみになりました!
いよいよ本番

ゲネプロの4日後に、いよいよ本番を迎えました。
とにかくゲネプロのときに録ってもらったDVDを毎日観ながら、イメトレを繰り返していたんです。
リハーサルの段階でも、ばっちり照明を合わせにいったので、他のバンドのマネージャーさんに「照明すごい!どこで見つけたの?」って言われてたのが嬉しかったな。
そして外オペなのに、ライブハウスのスタッフと間違われまくりでした。(まぁ、そういう格好してるからなんだけど)
もう吐きそうなくらい緊張していて、手が震えるってこういうことか!と感じました。
緊張していた私に、友人のマネージャーさんが「楽しんでやってくれたらいいよ!」と声をかけてくれ、何とか落ち着いたんです。
ライブは楽しむもの。
ライブは楽しんでもらうもの。
友人もマネジャーさんも、ずっと言っていて…
私も関われて良かったなぁと心底思いました。
本番も想像以上に楽しくて、ドキドキして、とっても心地いい達成感がありました。
聞き込みすぎた曲を歌いながら、楽しんで照明ができて良かった。
ライブハウスで働いていたときは、辛くて泣いていたこともあったけど、こんな風にまた照明ができて本当に幸せでした。
まとめ・結局8年ぶりにちゃんと照明できたの?
私も「何で引き受けたの?」って何度も思ったんですね。
現役でライブハウスで働いているわけでもないのに、外オペって図々しいですよね。
ライブハウスの外オペに来る方は、大体どこかのライブハウスに所属している場合が多く、フリーの人は少ないです。
しかも、何年ぶりに照明卓さわるって何なの?と渋谷ラママのスタッフさんも思っているに違いないです。
そんなことはなく、すごく優しく受け入れていただいて、色んな話をさせていただきサポートもしてもらい、ありがたかったです。
そのサポートのおかげもあり、私は安心してオペレーションをこなすことができました。
良いライブだったなぁ…と自分でも思えますし、みんなに喜んでもらえたことが嬉しいです。
そして何より本当に楽しかった。
そんな楽しいライブをやってるラママの公式サイトは以下です。
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音楽の仕事に興味があるけど、ライブハウスは敷居が高いと思っていませんか?
私も実はそう思ってました。
ただ、どうしても音楽関連の仕事に就きたくて始めたのが「コンサートスタッフ」のバイトです。
チケットもぎりや、物販スタッフ、会場案内などを体験できて憧れのアーティストのライブも働きながら聴けちゃいました!
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